Can-do statementsとは、ビジネス場面における現実の行動が「できる」
か「できない」かを,自己評価、あるいは他者評価により回答させる
質問紙調査です。TOEFLや日本語能力試験など大規模テストの受験者に
実施され、受験者が現実場面でどれだけの言語運用能力があるかを示す
ために利用されることもあります。また、Can-do statementsは指導者や学習者または研修者にとって
明確な目標レベルが提示できるなどの利点があるとされています。
ここでご紹介するビジネス日本語Can-do statementsは、以下のような点に資することを目的として開発されました。
- ビジネス日本語教育や研修に携わる指導者が,シラバスを設定する際,教育・研修内容や到達目標を決定する指針となる。
- ビジネス日本語教育や研修を受ける学習者や研修者に,学習項目や到達目標を意識化させる。
- ビジネス日本語教育の教育過程において,指導者は教育効果が確認でき,さらに指導すべき学習項目の設定に役立つ。
- ビジネス日本語教育の学習過程や研修過程において、学習者や研修生は学習効果、または実習の効果が確認でき,さらに習得すべきビジネス日本語項目を把握できる。
ビジネス日本語研修やインターンシップ開始時にこのビジネス日本語Can-do statementsによる評価を行うことによって、ビジネス日本語に関する行動について、自己評価、あるいは他者評価をし、学習中や研修中の向上目標を定めることができます。また、終了時にその達成度を再度、自己評価することができ、指導者や上司によって他者評価をすることもできます。